2018年に小惑星ベヌウ(ベンヌ)に到着し、調査を続けていた米国航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機 OSIRIS-REx が 5月11日午前 5時23分(日本時間)に同小惑星を出発し、地球への帰路につきました。2023年9月24日に地球近傍に到着し、採取した小惑星の物質が入ったカプセルを米国ユタ州の砂漠に投下する予定です。その後は、燃料の残量にもよりますが、日本の「はやぶさ 2」と同様に別の小惑星の調査に向かうことになっています:
小惑星ベヌウ(ベンヌ)については、地球からの観測にもとづいて(1)鉱物が炭素に富み、古代の水の痕跡があり、(2)表面から放射される熱量を測定することによって表面が滑らかであると推定されていました。(1)は推定されていたとおりだったのですが、(2)については完全にハズレでした。ベヌウ(ベンヌ)の表面は予想以上に荒れていて、大小の岩石で埋め尽くされており、探査機が物質を採取するために降下する場所の選定に苦労することになりました。
さらに想定外だったのは、ベヌウ(ベンヌ)から宇宙空間に向かって無数の岩石の破片が放出されていることでした。岩石の破片や小さな粒子が探査機に損傷を及ぼさないように距離をとるなど、NASA は対応に追われました。
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