『Forbes』誌の記事です。宇宙物理学者、作家、サイエンス・コミュニケーターなどの肩書きを持つ Ethan Siegel 博士が、米国地質調査所(USGS)所属で、ハワイ島の最前線で働く地球物理学者 Brian Shiro 氏にインタビューした内容です:
記事は16の質問と回答からなっていますが、キラウエア山とそれに隣接するマウナ・ロア山(地図、図)の関係についての部分をテキトー訳します。マウナ・ロア山は地球上で最も体積の大きい火山(富士山の約54倍)とされています:
質問: 私の知る限りでは、マウナ・ロア山は世界最大の活火山であるらしい。今キラウエア山で起きていることが、この隣接する大火山によるもっと大きな災害の引き金となる、という状況はあり得るでしょうか。
回答: キラウエア山とマウナ・ロア山は、ハワイ島の地下のある深さでマグマの供給源を共有していることがわかっています。長年の観察によると、この2つの火山はある意味で互いに対抗し合っています。一方の火山活動が活発になると、他方は沈静化します。逆もまた然りです。基本的に、この2つの火山は互いに圧力開放弁として機能しているのです。
2015年、マウナ・ロア山は火山活動が活発化する兆候を見せ始めました。地震や地殻変動などの地球物理学的前兆が、マウナ・ロアの山頂の下にマグマが貫入してきている可能性があることを私たちに教えてくれたのです。その結果として、私たちは警戒レベルを「注意」(advisory)に引き上げました。
しかし面白いことに、その後の数ヶ月にわたって、それらの前兆は著しく減衰したのです。その間、キラウエア山頂の圧力は高まり、東部地溝帯(east rift zone)は膨張しました。そして、最終的には、それが現在の噴火に繋がりました。ですから、今のところ、キラウエア山噴火の余波でマウナ・ロア山が噴火する可能性は非常に低いと私は考えています。
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