2022年11月24日木曜日

ニュートン力学や暗黒物質を否定する観測結果

 
10月26日に『王立天文学会月報』(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)に掲載された研究結果が、修正ニュートン力学(Modified Newston dynamics、MOND)を支持し、暗黒物質の存在を否定しています:

いくつかの近隣の星団における星の不均等な分布は、MOND の証拠を提供する可能性がある。MOND は、ニュートンに異議を唱え、暗黒物質の存在を否定する重力理論である。
 
天の川銀河系の星団を観測している天文学者が、ニュートンの重力法則に異議を唱え、宇宙に対する我々の理解を覆す可能性がある証拠を発見した。この不可解な発見は、暗黒物質の存在を完全に否定するという論争の的となる考えを支持する可能性がある。

研究者たちは、大きな銀河の中にある数百個までの星が緩く結合した星団を観測して、この証拠を発見した。散開星団は、その前後に「潮汐の尾」(tidal tail)と呼ばれる星の流れをともなっている。そのような星団では、宇宙空間を進む方向に存在する星の方が後方の星よりもはるかに多いことが研究者たちの観測から明らかになった。このことは、ニュートンの万有引力の法則に疑問を投げかけるものである。同法則では、前方と後方の「潮汐の尾」には同じ数の星が存在するはずだされる。

ヒアデス星団では、前方の「潮汐の尾」にある星の数が後方にある星より著しく多い。MOND を用いたコンピューター・シミュレーションでも、同様の図式が浮かび上がってくる。
 
MOND は多くの科学者に広く受け入れられていないため、今回の研究結果には賛否両論がある。
 

参考