9月6日付「溶岩の中に金の塊? — アイスランド」の続報です。
アイスランド南西部・レイキャネス半島で流出した溶岩の中に金色に輝く部分があるのを、火山学者のエフゲニア・イリンスカヤ(Evgenia Ilyinskaya)博士が見つけて採集し、金塊ではないかとの推測があった件。いずれ分析結果が報道されると思っていたのですが、今日までなし。そこでイリンスカヤ博士のツイートを探したところ、9月8日の時点で分析結果が報告されていました。
以下に同博士のツイートをつなぎ合わせてテキトー訳します ——
金だったのか否かだけを知りたい方へ: 残念ながら金ではありませんでした。その他の方は、続きをお読みください。
Back-scattered electron image on SEM shows the flaky texture of the surface- and the associated EDS spectra indicate a Ti- rich content, with a silicate assemblage that could well be a mica. There is a load of carbon pic.twitter.com/exi5epBxJn
— Dr. Evgenia Ilyinskaya (@EIlyinskaya) September 7, 2022
SEM(走査型電子顕微鏡)の後方散乱電子像では、表面に薄片状の模様があり、関連するEDS(エネルギー分散型X線分析装置)のスペクトルでは Ti(チタン)を豊富に含み、雲母と思われる珪酸塩の集合体があることがわかりました。また、多量の炭素を含んでいます。
結論: 塗料です! 金色の塗料は雲母で作ることができます — 雲母は金属光沢を模倣します — C(炭素)のピークは粘性物質/アクリル・バインダーが使用されたことによるものです。
最初のツイートを思い起こしてください。私が見つけたサンプルは、光学顕微鏡下でさえ、塗料のようには見えない素晴らしい出来栄えでした。
でも、電子顕微鏡はだまされませんでした。これは別の写真です。 このスケールでも「金」は綺麗に見えませんか?
この楽しい謎解きに私と一緒に参加してくれてありがとうございました。結果を共有したり、アイデアを「クラウドソース」できたのはとても楽しいことでした。そして、このサンプルを作った人にぜひ伺いたい — これってアートですか? 宗教的な儀式でしょうか?それとも何かの記念品ですか?
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