地震爆弾(earthquake bomb)とも呼ばれる T-12 Cloudmaker は、米国が 1944年から 1948年にかけて開発し、1958年まで実戦配備していた大型爆弾です。掩蔽壕や高架橋など、通常の爆弾では攻撃できなかった目標を破壊するために開発されました。
機首部分が固い材料で非常に厚く作られており、強化コンクリート構造物などの標的に深く貫入し、少し遅れて標的内で爆発するように設計されていました。総重量約 20トン、長さ約 12m、直径約 1m、落下速度は時速 500km 弱。
主に Convair B-36 Peacemaker 爆撃機に搭載されましたが、同機はこの爆弾を 2発積むことができました。
Cloudmaker という名前は、起爆した際に大量の粉塵と破片が発生することに由来しています。
下の記事には写真が 3枚掲載されていますが、3枚目の写真がこの爆弾の大きさを実感させてくれます:
先月、アメリカ海軍がフロリダ半島沖で新鋭航空母艦ジェラルド・R・フォードの耐衝撃試験を実施しましたが、この時使われた爆薬の量は約 18トンとされています。T-12 Cloudmaker には 19.5 トンの爆薬が搭載されていたので、やや上回る規模の爆発力があったと考えられます:
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