16年12月13日付「小笠原超深発地震は太平洋プレートのスラブが下部マントルへ突き抜ける前兆」の続報です。
2015年5月30日に小笠原諸島西方沖で発生したM7.9の深発大地震について、先の記事では国立研究開発法人海洋研究開発機(JAMSTEC)の発表を紹介しましたが、今回は東北大学の発表です。地震波トモグラフィー法を「地震の震源域に特化して、分解能を高める工夫を凝らした」結果だそうですが、得られたスラブの形状などにJAMSTECとは差異が現れています。
東北大学のプレスリリースより |
「(沈み込んだ太平洋スラブの先端は)北緯 28°付近で断裂しており、北側ではマントル遷移層内に横たわっているのに対し、南側ではマントル遷移層を突き抜けてほぼ鉛直に沈み込み、下部マントルにまで達している」:
中国と北朝鮮の国境にある活火山・白頭山(長白山)の地下でもスラブが裂けている、あるいは穴が開いているという研究がありました:
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