『東スポ』の記事なのでどこまで真に受けていいのわかりませんが、熊本地震も鳥取県中部の地震も「事前に発生がキャッチされていた」、「一部の自治体が導入しているほど的中連発の予測システムが存在する」:
この S-CAST というシステムは富士防災警備株式会社(東京都新宿区)という民間企業が運営しているものです。以下は概説と実績です:
電離層の擾乱をVLF(超長波)やVOR(超短波全方向式無線標識)の伝播異常を観測したり、大気中のラドン濃度を計測したり、といった複数の手法を併用しているようですが、ULF(超低周波)地中電磁界変動を観測しているのが目を引きます(地電流のことでしょうか)。
『東スポ』の記事では「的中」という言葉を使っていますが、S-CASTの資料では「地震該当率」という指標で実績を示しています。過去1年間の地震該当率は93%だそうです。
上掲の「地震予測情報検証結果表」を見ると、予測エリアは「九/四/中」などとなっていて、かなり広い範囲で予測しています。また、予測エリア内で発生した地震には最大震度1やマグニチュード2クラスのものも多数含まれていて、これらを「該当」に算入しているのだとしたら、93%という該当率も頷けます。しかし、これで実用的な地震予測と言えるのでしょうか。