長い記事です。タイトルとは違って、内容の大半は角田史雄・埼玉大学名誉教授が提唱する熱移送説を紹介・称揚することに費やされています。イタリアやミャンマーで起きた地震も熱移送説で説明しています:
唖然としたのは、政治評論家の森田実氏が「プレート説で説明できない地震が頻発している」、「プレート説について疑問を持っていた」、「プレート説への過度のこだわりを捨て、『熱移送説』を謙虚に学ぶことだ」と語っていること。この手の記事でよく見かける専門家は皆、プレート説の立場に立っているので熱移送説についてのコメントを求めにくく、政治評論家にお出ましいただいたということでしょうか。
熱移送説にもとづく予測として記事に記載されているのは以下のとおりです:
- (イタリア中部の地震と関連) 東アフリカのスーパープリュームに端を発した熱エネルギーによって「今後数年以内にトルコで地震が発生する可能性がある」
- (ミャンマーの地震と関連) 「今後1~2年以内に中国雲南地方で地震が起こる可能性が高い」
- (熊本地震と関連) 「当該地域に熱がたまっているため、数年以内に別の場所(大分県別府地域と長崎県雲仙地域をつなぐライン上)で大きな地震が発生する可能性がある」
- (東日本の地震について) 「熱エネルギーが日本海溝に沿って北上しているのだろうが、直ちに心配する必要はない」
- (小笠原諸島西之島の噴火に関連して) 「この熱エネルギーが2017年から2018年にかけて伊豆・相模地域に到達し、マグニチュード6以上の地震が発生する」
熱移送説は国内での認知度は低いですが、海外では次のようなことがあったそうです:
海外での評価は高まる一方である。海外の学術誌(「New Concepts in Global Tectonics」電子版)に「熱移送説に基づく熊本地震とその解釈」というタイトルの論文を掲載したところ、通常の3倍以上のアクセス(約30万)があり、サイトはあまりのアクセスのために一時「遮断」の措置をとったという。
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