日本海にある韓国領・鬱陵島(地図)の地下に巨大なマグマ溜まり(Ulleung anomaly)があることを、スイスを中心とした研究チームが地震波トモグラフィーによって発見しました。マグマ溜まりは直径300kmで、深さ50kmから200kmの範囲に存在しています(拡大図):
- Huge magma reservoir could be lurking under South Korean island
- Lava lake spotted by supercomputer
- 鬱陵島の地下50キロに幅300キロのマグマだまり
鬱陵島は活動を止めてしまった火山で、最後の噴火は5000年ほど前とされています。約9300年前には大規模な噴火を起こし、日本各地でその時の火山灰が見つかっています。
ハワイ諸島やアイスランドのように、浅い所に大きなマグマ溜まりがあれば、その上に活火山があるのが普通ですが、今回発見されたマグマ溜まりの上には活火山がありません。マグマ溜まりを発見した研究チームもこの点について困惑しています。
鬱陵島の東南東約95kmには島根県の竹島があるのですが、拡大図を見ると、マグマ溜まりは竹島の下にも広がっているようです。竹島も火山島ですが、約250万年前に活動を止めたとされています。竹島は、中国・北朝鮮国境にある白頭山(長白山)、北朝鮮の金剛山、韓国の鬱陵島、島根県の隠岐諸島とともに白頭火山帯に属していると考えられています(「火山帯」という言葉や概念はプレートテクトニクスの普及にともなって使われなくなり、代わりに「火山フロント」が用いられるようになっていますが、白頭火山帯については火山フロントとは言いにくいと思います)。
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