彗星のように尾を引く活動的小惑星(active asteroid)をハッブル宇宙望遠鏡で観測:
以下は拡大写真です。各画像は上が北、左が東です。黄色の矢印は太陽の方向の逆、緑色の矢印は太陽を基準とした小惑星の速度ベクトルの逆です:
小惑星に何かが衝突して塵が舞い上がり、それが彗星の尾のように観測されることがあります(impulsive ejection)が、〝324P/La Sagra〟の場合は近日点に近づくと尾が観測されることが繰り返されています。表面近くにある氷が昇華することによって尾が形成されていると考えられています。太陽の周りを1周するごとに4万トンの塵を放出し、今後1万6000周ですべての質量を失う、それには10万年ほどかかると推定されています。
〝324P/La Sagra〟は彗星ではないのか。その公転軌道は完全に小惑星帯(メイン・ベルト)の中に収まり、離心率は 0.154。小惑星の軌道の離心率は 0 から 0.35 の間で、平均 0.17。一方、彗星の軌道の離心率はほぼ 1。この面から、〝324P/La Sagra〟は太陽系外縁部からやって来る彗星ではなく、小惑星と考えられています。
過去の太陽系には〝324P/La Sagra〟のように氷を多く蓄えた小惑星が無数にあり、それが原始の惑星に落下して海洋の起源となったと考えられています。
関連記事