ハワイ島最大の火山であるマウナ・ロア(地図)は31年間にわたって静穏な状態が続いていましたが、9月17日、噴火警戒レベルが〝NORMAL〟から〝ADVISORY〟(注意報)に、航空コードが〝GREEN〟から〝YELLOW〟に引き上げられました。山頂部や南西に伸びる地溝帯の上部(upper Southwest Rift Zone)、さらに西側の山麓で浅い地震の頻度が上がっていること、それに伴って浅部マグマ溜まりが膨張していることを示すと考えられる地殻変動が観測されていることがレベル引き上げの理由です:
- Volcanologists Raise the Alert at Hawaii’s Mauna Loa
- Recent Mauna Loa Status Reports, Updates, and Information Releases
今回観測されている浅部地震の増加や地殻変動は、1975年と1984年の噴火の前にも見られたとのこと。米国地質調査所(USGS)傘下のハワイ火山観測所(HVO)は、警戒レベルの引き上げは直ちに噴火が起きることを意味しているわけではないとしています。
噴火が発生すれば、粘性の低い熔岩が山頂から東北東方向に伸びる地溝帯に沿って流れ下り、ハワイ島の中心都市ヒロ(地図)に達することが心配されています。1881年には実際に熔岩がヒロに到達しています。
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