八ヶ岳南麓天文台の串田氏が近畿圏に予測している大型地震発生まで1週間を切りました。これまでの経緯からして、今回も直前で新たな前兆が現れ延期になる公算が大きいと思っていましたが、これまでのところ、串田氏からそのような更新情報は出ていません。
前兆は7年前から現れていますが、串田氏が予測している領域になにか異常な地殻変動が現れていないか、国土地理院の「最新の地殻変動情報」をずっとモニターしてきました。串田氏の予測では震源は陸域の浅い所ということですので、前兆継続中に震源断層周辺に何らかの変動が現れても不思議ではありません。
で、これまでモニターしてきた結果、何かわかったかというと、怪しい所が多すぎて、決め手に欠けるというのが正直なところです。「最新の地殻変動情報」では、電子基準点のGPS観測データにもとづいた変動ベクトル図、座標変化グラフ、基線変化グラフを見ることができるのですが、以下は変動ベクトル図に現れた「異常」の例です。
(1) 琵琶湖西岸の「安曇川」観測局が南西方向に大きく移動。2つの期間、2015年5月20日~6月3日と6月20日~7月4日、の位置情報の平均値を比較し、水平方向の差をベクトルとして表示:
国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し |
(2) 「京都西京」観測局が北方向に大きく移動。2つの期間、2014年2月12日~2月26日と3月15日~3月29日、の位置情報の平均値を比較し、水平方向の差をベクトルとして表示:
国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し |
(3) 滋賀・岐阜県境の「関ヶ原」観測局や、京都府の「福知山2」、「綾部」両観測局などが大きく隆起。2つの期間、2014年2月26日~3月12日と3月29日~4月12日、の位置情報の平均値を比較し、垂直方向の差をベクトルとして表示:
国土地理院「最新の地殻変動情報」から必要部分を当ブログ筆者が切り出し |
注意しなければならないのは、季節変動や「観測点固有のローカルな動きやGPS電波の受信障害等により、地殻変動とは関係のない異常な座標変化を示す」場合があるという点です。たとえば、観測局周辺の樹木の生長や伐採、建物の新築などによっても観測データに影響が出るのだそうです。したがって、上掲の例が実際の地殻変動によるものである保証はありません。詳しくは以下をご覧ください:
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