台風15号(アジア名:ボラベン、Bolaven)は日本の南西諸島や朝鮮半島に被害をもたらしました。この台風については、沖縄気象台が8月25日に異例の記者会見を開き、「沖縄本島地方の観測史上で過去最大規模となり、記録的な暴風が吹く恐れがある」として厳重な警戒を呼びかけました:
ところが、台風の通り過ぎたあとの沖縄県民の感想は「思ったほど強い台風ではなかった」というものだったようです:
沖縄気象台は「中心気圧が910ヘクトパスカル、最大瞬間風速70メートルの猛烈な風が吹き荒れる」と予測していたのですが、実際は、「伊是名村で27日午前0時ごろに41.5メートルの最大瞬間風速を観測。26日午後8時半ごろ、台風の目に入ったとみられる名護市でも気圧は935ヘクトパスカルを記録するにとどまった」 とのこと。この点について、気象庁は「ほかの台風でもあることで、差は想定の範囲内だ」、沖縄気象台は「観測値は低いが、気象衛星のデータなどから『最大級の警戒』が必要な台風だったことは確か」と弁明しています:
複雑系である気象現象を正確に予測することは難しい。良い方に外れても、悪い方に外れても責められる気象庁や気象台はつらい立場だと思います。でも一度でもこういうことがあると、本当に観測史上最大級の台風が来たときに、住民が気象庁や気象台の発表を過小評価して避難が遅れるということになりかねません。
お隣の韓国では、気象庁がテレビ局に批判されています。台風15号が接近するさなか、テレビ局が気象庁に「電話取材したところ、気象庁は非常事態にもかかわらず通常勤務(土日はお休み)で危機感が無い」。それに対して気象庁は、「160余名の非常事態態勢での勤務中」で、テレビ局の報道は「非常事態での勤務中に無理な資料を要求したために記者と実務者間で些少な意見の食い違いがあったことによるもの」と弁明しています:
どうやら、テレビ局の記者が、自分の要求した資料を気象庁が提供してくれなかったために、批判的な報道をしたというのが真相のようです。
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