2012年8月30日木曜日

ギザの3大ピラミッドと3惑星整列


インターネット上に以下のような画像が流布しています:

Image Credit: Universe Explorers

画像には次のような説明がついています:
2012年12月3日の惑星の配列は、ギザのピラミッドの配置と完璧に一致する。現地時間12月3日、エジプトのギザの夜空 ・・・ 日の出の1時間前。この様な現象は2737年に1度しかおこらない。

オカルトやスピリチュアル系の話に毒されている人たちは、この様な現象から何らかの意味をくみ取ろうとするかもしれません。

しかし、12月3日にギザのピラミッドを訪れても、この様な光景を見ることはできないのです。すでに天文学関係のウェブサイトやブログで明らかにされていることですが、以下にその理由をまとめてみます:
  • 12月3日、夜明け前の南東の空で、水星-金星-土星が直線上にほぼ等間隔で並ぶことは事実である (実際には直線から少しずれている)。しかし、これら3惑星を結ぶ直線は垂直に近い角度で地平線と交差する。ギザの緯度を考慮に入れても、流布している画像に見られるような水平に近い角度で並ぶことはない。したがって、3大ピラミッドの各々の真上に惑星が一つずつ輝くように見えることはない。
  • 流布している画像には、向かって左からメンカウラー王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、クフ王のピラミッドが並んでいるので、ギザの3大ピラミッドを南西(あるいは南南西)の方向から北東に向かって撮影したものである(以下のピラミッド配置図を参照してください)。このことは、画面左側に「王妃のピラミッド」群がシルエットとして写っていることからも確認できる。一方、3つの惑星が並ぶのは南東の空であるので、流布している画像のように見えることはない。


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