12月24日、鹿児島県内之浦から観測ロケットを打ち上げ、高度約80~300kmでリチウムを放出、太陽光を受けて赤く光る「発光雲」の時間的な変化を観測する実験がおこなわれます。目的は「上空の中性大気とプラズマ大気の運動を把握し、そこで起こる物理過程を探る」ため:
一方、昨夜(19日23時48分)、内之浦から打ち上げられた観測ロケットでは、電離層で電子密度の測定がおこなわれました。高度90~130kmで高濃度のプラズマ塊が突発的に発生する現象の解明が目的。このプラズマ塊は、ラジオ放送などに使われる中波帯電波が異常伝搬する原因とされています:
地震の前に電離層に異常が起きることは以前から知られており、地震予知の有効な手がかりになり得ると期待されています。ロシアは国際宇宙ステーションの外壁に専用の観測装置を取り付け、長年にわたって観測を続けています。また、フランスは2004年に専用の人工衛星を打ち上げています。
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