2010年11月8日月曜日

ナイジェリアで火山噴火

11月 5日、アフリカのナイジェリアで火山噴火がありました:

噴火があったのは隣国カメルーンとの国境地帯にあるベヌエ州(Benue、ナイジェリアの州)。大きな震動とともに山の 6地点から噴火、溶岩が流出し逃げ遅れた少年 1人が死亡、多数の住民が着の身着のままで避難を余儀なくされているとのことです。

記事には噴火をおこした山の名前が書かれていません。USGS の火山地図で見る限り、ナイジェリア領内に火山の記載はありません。隣国カメルーンには、ベヌエ州やタラバ州(ナイジェリアの州)に近接してオク火山群(Oku Volcanic Field地図)があります。この火山群のナイジェリア側が噴火したということではないかと思います。

一方、John Seach という火山学者のウェブサイトには、ナイジェリアの火山としてビウ火山(Biu Volcano)が記載されています。しかし、その位置はナイジェリア北東部(10.75 N、12.00 E)であり、さらに最後の噴火が 84万年前と推定されているので、今回の噴火とは関係がなさそうです。

オク火山群には、有名なニオス湖があります。1986年 8月、この湖の底で何らかの爆発がおき、湖底に蓄積されていた 160万トンの二酸化炭素ガスの雲が山体斜面を急速に流下、湖から 20km 圏内にいた約 1,800人と家畜 3,500頭が窒息死しました。現在、このニオス湖の湖水を堰きとめている火山岩の天然ダムが決壊間近であるとの懸念が高まっています:

記事によると、ニオス湖の決壊によってナイジェリア領内に 1億 3200万立方メートルを超える水が流出、タラバ州を初めとするナイジェリアの 36州に被害が及ぶと見積もられています。


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