2010年1月20日水曜日

小惑星が地球を掠める (続報)

13日付「小惑星が地球を掠める」の続報です。小惑星「2010 AL30」は、予報どおりに地球のそばを通過していきました。以下は『Universe Today』のサイトに掲載されている記事です。「2010 AL30」が地球を掠めていく際に撮影された写真や動画などがたくさん掲載されています:
この「2010 AL30」については、その公転周期が地球と同じ 1年に非常に近いことから、地球から打ち上げられたロケットなどの人工の物体である可能性が指摘されていました。しかし、NASA の研究者が過去に遡ってこの物体の位置を追跡した結果、その可能性がなく天然の小惑星であるとの結論が出されたことは、13日付の記事に書いたとおりです。しかし、一時的にせよ人間の打ち上げた物体か天然の小惑星かで議論があったことから、その物体ないし天体の由来がはっきりしないということで「正体不明」という言葉が使われて一人歩きし、『朝日新聞』までが以下のようセンセーショナルなタイトルの記事を掲載する始末でした:
この「正体不明」という言葉に触発されたのか、この物体が電波を発信しているというデマを流す者や、NASA がこの物体の正体を隠蔽しているなどなど、お決まりの陰謀説・隠蔽説を喧伝する者がでましたが、信憑性はまったくありません。

なお、ESA(欧州宇宙機関)のミッション・アナリストが、この物体は金星探査機「ビーナス・エクスプレス」を打ち上げたロケットの最終段である可能性があると指摘していましたが、最終的には天然の小惑星である可能性が高いとしています: