上記記事を翻訳してみました(厳密な逐語訳ではありません)。地球に接近あるいは衝突する可能性のある天体が発見された場合の、情報の流れがわかります。映画や小説では、軍や大統領が介入して、情報を隠蔽するという筋書きがしばしば見られますが、少なくとも今回のようなサイズの天体では、そのようなことがあり得ないことがわかります:
新たに発見され「2009 VA」と命名された直径約 7m の小惑星が、アメリカ東部標準時 11月 6日 16:30 頃に、地球表面から地球の半径の約 2倍分(14000km)のところを通過していった。これは、カタログに掲載された小惑星としては、地球に衝突してしまったものを除いて、歴代第 3位の接近記録である。歴代 1位は、直径 1m の小惑星「2008 TS26」で、2008年 10月 9日に地表から 6150km のところを通過した。2位は、直径 7m の小惑星「2004 FU162」で、2004年 3月 31日に地表から 6535km のところを通過した。今回接近した「2009 VA」と同じようなサイズの小惑星は、平均して 1年に 2回程度、今回の距離ぐらいのところを通過し、5年に 1回程度は地球に衝突する。なお、小惑星「2008 TC3」は、アフリカのスーダン上空で大気圏に突入、バラバラに分解し、一部が地表に落下しました。自然の天体が大気圏突入前に発見されたのは、このときが最初とのことです。
小惑星「2009 VA」は、Catalina Sky Survey(カタリナ掃天観測所、アリゾナ州)によって最接近の約 15時間前に発見され、マサチューセッツ州ケンブリッジにある(国際天文学連合の)Minor Planet Center(小規模惑星センター)によって、地球の非常に近くを通過する天体であると確認された。NASA の JPL(ジェット推進研究所)にある Near-Earth Object Program Office(地球近傍天体プログラム室)でもこの天体の軌道が計算され、地球に衝突する軌道ではないことが確認された。
わずか 13か月前には、今回のものより幾分小さめの天体「2008 TC3」が似たような状況で発見された。「2008 TC3」が地球への衝突コースに乗っていることが判明したのは、実際に衝突が起きるわずか 11時間前のことだった。
過去の関連記事