2009年9月7日月曜日

駿河湾の地震についてあれこれ (その 2)


構造線


この地震は「静岡-石廊崎-新島構造線」で起きたようです。同構造線の位置については以下の資料(東京大学名誉教授 溝上恵氏)の図 1 にあります:
上記の資料によれば、同構造線は「右横ずれの断裂帯(Shear Zone)」で、「この構造線を境にして(A)伊豆半島と(B)銭洲海嶺の両地域における長期的な地震活動には、顕著な相補関係が見られる。これは両地域におけるに応力集中-解放が『構造線』を挟み交互に進行することを示唆している」とのことです。

震央の位置

Image Credit: U.S. Geological Survey

気象庁など日本の機関が発表している震央は、静岡の沖合、駿河湾の中央に近いところに位置していますが、USGS(米国地質調査所)の資料(上記地図)では、かなり陸地に近い場所になっています。震央を割り出すために使った観測データの数から言えば、日本側のものが信憑性が高いと考えられますが、同じ構造線上で起きたと思われる過去の被害地震(1935年『静岡地震』、『1965年静岡地震』)は、陸上で発生しています。

発震メカニズム

地震発生直後には、初動解析から横ずれ断層型とされていましたが、その後観測データが集積されるにつれて、逆断層型の傾向が強いことがわかってきました。「2009年8月11日 駿河湾の地震」に掲載されている 3つのメカニズム解を比較すると、その微妙な違いがわかります。

(続く)