その記事の中に、以前このブログの記事「ブルガリアで地震パニック」(4月21日付)で紹介したマヤ・ポポーバ氏についての記述と写真があります。彼女についての情報を上記朝日新聞の記事からまとめます:
- ブルガリアの首都ソフィアに住む 53歳の主婦。もとはテレビ記者。
- 痛みによる地震予知のきっかけは、32年前、ソフィアで大きな地震が発生する数日前に、体中が焼けるような痛みに襲われたこと。
- 痛みの部位によって地震が起きる場所がわかる ―― バルカン半島は右太ももが中心、内側がトルコ、中間がブルガリア、外側がギリシャ; アジアは左腕(日本は左脇の下)、北米・南米と台湾は右腕。
このような、いわゆる「体感」にもとづく地震予知には、科学的根拠といえるものはほとんどありません。特に、体の部位と地震発生地を関連づけるのはナンセンスです。本人が 〈予知できている〉 と思いこんで、確証バイアスのループに陥っているだけのことだと思います。ブルガリアを含むバルカン半島一帯は日本と同様に地震多発地帯です。予知した地域に偶然地震がおきることもかなりあると思われます。きちんとした統計的検証をおこなって、偶然による的中(まぐれ当たり)の影響を除外すれば、予知できているとは言えないことが明らかになると思います。
関連記事
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency