来る 1月27日(火)に、「144P/串田彗星」が近日点を通過します。この彗星の発見者は、FM放送の電波を利用した地震予知研究で有名な、八ヶ岳南麓天文台(地震前兆電離層観測研究センター)台長の串田嘉男氏です。
新たに発見される彗星の中には、放物線軌道か双曲線軌道をとり、一度太陽に近づいた後は無限の彼方に飛び去って、二度ともどってこないものがかなりあります。一方、楕円軌道を描く彗星は周期的に太陽の近くまでもどってくるため、周期彗星と呼ばれます。串田彗星も周期彗星の一員です。
新彗星が発見されると、「C/××」という仮番号が与えられます。「C」は "comet"(彗星)の頭文字です。観測によって楕円軌道であることが確認されると、「P/××」に変更されます。「P」は "periodic comet"(周期彗星)を意味します。彗星は太陽に近づくと、太陽風や太陽光によって構成物質がはぎ取られ、尾を引きます。このため、周期彗星は太陽に近づくたびに、その質量を失ってやせ細っていきます。今回観測されたからといって、次の周期にも観測できるとは限らないわけです。初めての観測の後、太陽から遠ざかって、次の周期に再び観測されると、周期彗星としての確定番号が与えられます。串田彗星に付与された「144P」は、この確定番号です。
確定番号が付けられた周期彗星は、これまでに約200個しかありません。「1P」は有名なハレー彗星です。串田氏は、「144P」の他に、「147P/串田・村松彗星」の発見者にもなっています。
串田彗星の最新の写真は以下にあります:
FM電波の観測による地震予測について説明したpdf形式の資料(P0~P6)が、下記にあります: