2025年3月8日土曜日

地震祭

 
陰陽道には数十種類の祭祀があったそうです。中でもよく知られているのは健康や長寿を祈願する「泰山府君祭」ですが、地震を避けるための「地震祭」というのもありました。平安時代後期の関白・藤原忠実は日記に次のように記しています:
 
今日戌の剋許り、地震祭を行う。三条亭において此の事あり。陰陽師家栄。今日より余精進す。但魚は服す。籠祭なり。
 
前の月に京都で大きな地震が 2度あったので、さらなる地震の災厄を防ぐために自邸において陰陽師・賀茂家栄(かものいえよし)に地震祭を行わせたということです。「戌の剋」は午後8時±1時間。陰陽道の祭祀は暗い時間帯に行なわれることが多かったのだそうです。
 
参考書籍: 『陰陽道の発見』 山下克明著、NHKブックス、2010