昨夜(5月27日22時50分ごろ)、福井県沖でM5.0、最大震度2の地震があり、関西地方を中心に広い範囲が揺れました。AQUAシステム
メカニズム解カタログによると、横ずれ成分の多い断層の運動があったようです:
「福井県沖」という
震央地名はあまり耳にすることがありません。調べてみると、前回この「福井県沖」の範囲で有感地震が発生したのは、東北地方太平洋沖地震の1ヵ月前のことでした。
「福井県沖」と聞いて真っ先に思ったのは、若狭湾沿岸のいわゆる原発銀座のことでした。最大震度が2で、原発に影響がなかったのは何よりでした。規模がM5クラスであったことに加えて、震央が沿岸からかなり離れていたことが幸いしたのだと思います(
震央地図)。
過去には、もっと陸地に近い若狭湾内でM7クラスの被害地震が発生したことがあります。東京オリンピックの前年、1963年3月27日に発生した越前岬沖地震です(
震央地図)。M6.9、最大震度5(当時は強・弱の区別がありませんでした)で、敦賀市や小浜市など若狭湾沿岸に被害が出ました。
越前岬沖地震も、昨夜の福井県沖地震と同じく横ずれ断層に起因したものです。陸上から北西に向かって伸びる
野坂・集福寺断層帯の北端部付近で、それと直交するような断層が水平に動いたと考えられています。大陸棚外縁断層(上の震央地図で若狭湾内の海底が弓なりにうっすらと白く見えている部分)が動いたのかも知れません。