東京大学などの研究チームによる発表です。新しい手法によって、東北地方中央部の地下の水と玄武岩質マグマ、安山岩質マグマの識別と定量的マッピングに初めて成功したとのことです(図):
- 地球内部の水・マグマをとらえ、地震や火山の仕組みに迫る ―地震波と電気伝導度の統合解析による東北地方の地下イメージング―
- 地球内部の水・マグマをとらえ、地震や火山の仕組みに迫る ――地震波と電気伝導度の統合解析による東北地方の地下イメージング―― (PDF形式)
マッピングによってわかったことは ——
- 2008 年岩手・宮城内陸地震直下の、深さ 10~20km の領域は水に富む(岩石中に、体積として 10%に達する水溶液流体が含まれる)
- その下の深さ 30~40 ㎞には、火山地域・非火山地域を問わず、玄武岩質と安山岩質のマグマが水平方向に広く分布している
- これらの水・マグマは浅部から深部まで連結しており、深部でマグマが徐々に冷却され、含まれていた水分が水溶液として放出され、水に富む領域を作っている
- 震源が集中する深さ 5~10 ㎞の領域で、水の圧力が周囲の岩石の圧力を上回り、岩石が破壊しやすい状態、すなわち地震が起こり易い状態にある