2024年4月12日金曜日

まもなく新星爆発 — かんむり座T星

 
ヘラクレス座と牛飼い座の間にある小さな星座・かんむり座(Corona Borealis)に近々新星が出現し、肉眼でも見えるようになると予測されています。問題の星はかんむり座T星という名で、約80年間隔で爆発を起こして明るくなる回帰新星(反復新星)です:

以下は NASA のブログ記事の概略です ——

地球から 3000光年離れた恒星系が間もなく肉眼で見えるようになるだろうと予測されている。 新星爆発は約 80年に一度しか起こらないため、これは一生に一度の観察の機会となるだろう。かんむり座 T星(T CrB)が最後に爆発したのは 1946年で、天文学者らは 2024年2月から 9月の間に再び爆発すると考えている。
 
この恒星系は、通常は +10等級で肉眼で見るには暗すぎるが、新星爆発時には +2等級に増光する。これは北極星と同じくらいの明るさである。

明るさがピークに達すると、肉眼では数日間、双眼鏡では 1週間強見え、その後は再び暗くなり、暗い状態が 80年間続く。
 
 
この種の新星について、『天文年鑑 2024』(誠文堂新光社) には次のような説明があります ——

新星は白色矮星の主星とK-M型の主系列星ないし準巨星の伴星からなる近接連星か、白色矮星の主星と赤色巨星の伴星からなる連星系(共生星)である。伴星からの質量移動があり、伴星から供給された物質(主に水素)が白色矮星の表面に降り積もり、ある程度の量に達すると暴走的な熱核反応を起こして白色矮星表面の水素の層が爆発を起こし増光する。
 
 
かんむり座 T星の増光は 1866年と 1946年に記録があります。