手や足を押しつけたら凹むような状態の溶岩というのは、まだかなり高温だと思うのですが、この手形と足形を残した女性(?)は無事だったのでしょうか ——
米国北西部ワシントン州の活火山・レーニア山の南に広がる広大なギフォード・ピンチョット国有林(地図)。西部には1980年に大噴火で山体崩壊を起こしたセント・ヘレンズ山もそびえています。
この国有林の南東部にグース湖(Goose Lake、地図)という小さな湖があり、その水面下にある約8100年前の溶岩(玄武岩)の表面に一組の手形と足形が確認されています:
以下は、上掲記事からの抜粋・テキトー訳です:
かつては乾いた土地にあったこの手形と足形は、現在ではほとんどの期間、水中にある。この手形と足形は、ビッグ・ラバ・ベッド(Big Lava Bed)と呼ばれる地形の端にある融けた岩(現在は玄武岩)に手足を押しつけて残されたもので、人間の手形と足形が一組ずつ残っている。地質学者によると、この手形と足形は何千年も前からそこにあったとのこと。入植者が初めて気づいたのは1890年代のことと考えられている。
ギフォード・ピンチョット国有林の遺産プログラム・マネージャーである Matthew Mawhirter 氏は、グース湖の手形と足形を見ると、それがどのように作られたかを推測するのは容易だと言う。「まるで誰かがそこに立っていたかのように、2つの足形が並んでいます」、「岩から飛び降りて両足で着地したものの、勢い余って前に倒れそうになり、自分をささえるために両手を地面につき、それから、立ち上がろうとして手で地面を押したかのように、2つの手形は2つの足形の少し前にあるのです」
手形と足形は、その大きさから、女性か10代の少女のものと考えられている。
ビッグ・ラバ・ベッドは約8,100年前に溶けた岩石で形成されたので、これはまさに古代の歴史であり、今はエバー・グリーン州(ワシントン州のニックネーム)と呼ばれている場所に住んでいた人間の特別な(そしておそらくはトラウマになるような)瞬間を意図せずに記録しているのである。
「完璧な手形と足形があるのに、まわりには何もないのです」、「しかも、溶岩流の端にあるわけでもないんです」、「私は火山学者ではありませんが、岩がまだ柔軟であるためには、その上に立つことはおろか、素肌をつけたくないほど高温でなければならないと想像できます」と、Mawhirter 氏は語る。
森林局は長年にわたってこの手形と足形にまつわる先住民の物語を集めてきた。その中には、若い乙女が悪霊から逃れるために山の頂上から飛び降りたという話も含まれている。