2019年1月21日月曜日

間欠泉の移動で非常事態宣言 ― 米国カリフォルニア州 (続報-5)


以下は、インペリアル郡の消防署長兼緊急事態調整官が、郡の管理委員会に対して緊急事態宣言の30日間の延長を承認するように求める1月8日付の文書です。緊急事態宣言はこれまでに少なくとも5回延長されているようです。問題の間欠泉(熱泥泉)は1953年前後から南西に向かって移動しており、現在は同郡ナイランド(ニランド、地図)の市街地の北西約5マイル(約8km)にあるとのこと:

上記文書によると現状は以下のとおりです ――
  • 間欠泉(熱泥泉)は西に向かって移動している。

  • キンダー・モルガン社(北米最大級のエネルギー・インフラ企業、石油や天然ガスのパイプラインを保有)は、(現場付近にある)パイプラインの移設許可を申請している。

  • カリフォルニア州運輸局の緊急対策には以下の事項が含まれる:

    • (ソルトン湖西岸を通る)州道86号線への迂回を直ちに実施。交通制御機器はすでに配置済み。
    • (ソルトン湖東岸を通る)州道111号線に鋼矢板の壁を設置。111号線の地下と壁の両側に排水路を設ける。
    • 現在の州道111号線の西側に迂回路を建設する。間欠泉(熱泥泉)が通過できるようにし、通過後に州道111号線を再建する。

間欠泉(熱泥泉)が移動する理由の解明に繋がる情報も載っています:
(現場付近を通っている)ユニオン・パシフィック鉄道の地質学者が巨大な圧力ドーム(large pressure dome)を発見した。ドームはカルデラから州道111号線を通り越して広がっており、間欠泉(熱泥泉)の水を押している。

カルデラがどこにあるのか上記文書からはわかりませんが、定冠詞付きで "the caldera" と書かれているので、インペリアル郡の住民(少なくとも管理委員会のメンバー)にとっては周知の事柄のようです。また圧力ドームのイメージもはっきりしません。


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