6月9日付「
芥川龍之介は藤の花を見て関東大震災を予知した?」と「
関東を中心に日本各地で動物の宏観異常」に関連した『
Viewpoint』の記事です。執筆しているのは雑誌記者、編集長を経て現在は編集委員を務めている方です。
「(わが国の地震予知研究は)これまで一度も予知をしたことはない、したことがないから失敗したこともないという体たらくだ」、「この種の地震予知の研究は破綻しているのである」:
宏観前兆の中に電離層での変化を含めるなど、首をかしげたくなる記述もあります。「宏観」現象とは、高度な観測機器を使わなくとも基本的に人間の五感で関知できる現象のことで、電離層での変化など、測定機器を使用して初めてわかる現象は「微観」現象というのが本来の区分です。
また、「宏観異常現象というものの研究が盛んになっている」、「動物の異常行動と地震予知を結び付けたことは、ある意味目新しいが」とも書かれていますが、宏観異常による地震予知については日本のみならず海外でも否定的な結果がたびたび出ていて、むしろ下火になっているというのが私の実感ですし、古代からおこなわれ、現代の週刊誌でもたびたび取り上げられていることを「目新しい」と言われても頭の中が「?」でいっぱいになるだけです。