10月14日付「
フグの群れが川を遡る ― 福岡県福岡市」の補足です。
博多湾には北西-南東方向に警固断層帯が走っています(地震調査研究推進本部の
説明地図)。同断層帯の北西部は2005年に福岡県西方沖の地震(M7.0)を引きおこしましたが、南東部は「今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属する」とされ、推定規模は M7.2 で、「断層近傍の地表面で、2m程度の左横ずれが生じる可能性」があると考えられています(引用部分は地震調査研究推進本部「
警固断層帯」より)。
先月、コノシロの大群が香椎川の河口付近に押し寄せた件と、今月、フグの群れが香椎川を遡った件は次のように考えられないでしょうか ―― 博多湾内部を走る警固断層帯南東部の北端部で何らかの異変が発生 → 湾内の魚は断層からの不快な刺激を避けるために断層から遠ざかろうとする → 断層帯の北側にいる魚にとって逃避方向は北か北東しかない → しかしその方向は、海の中道(
地図)にさえぎられている → しかたなく海の中道の南縁に沿って逃避回遊すると香椎川の河口(
地図)に行き着く → 河口付近に魚が集中、さらに淡水に耐えられる魚は川を遡る。
つまり、警固断層帯南東部や海の中道で構成される博多湾の地形が、巨大な
定置網のように作用して、魚を香椎川の河口付近に追い込んだというわけです。私の思いつきにすぎませんが ・・・
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