2017年7月1日土曜日

イカルス計画と地震・噴火予知 (その2)


ちょうど3年前にこのブログで紹介したイカルス計画(ICARUS Initiative)。動物の行動から自然災害を予知することを目指す国際プロジェクトです:

イカルス計画はドイツとロシアが主導しています。以下は、ドイツのマックス・プランク鳥類学研究所のディレクターで科学者の Martin Wikelski 氏が、イタリアの Pieve Torina(地図)にある農場で実施している実験について紹介している『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事です。イカルス計画の進捗状況を知ることができます:

イタリアでは地震が多発しており、農場の種々の動物の行動をモニターするには適した場所です。まだ専門誌に論文を発表する前と言うことで、記事には具体的なことが書かれていませんが、着々と成果が上がっているようです。

非常に長い記事です。以下は、そのごく一部を抜粋してテキトー訳したものです:
イタリア、Pieve Torina 発 ―― 昨年、一連の強い地震がイタリアを襲った後、Martin Wikelski は Pieve Torina に急行した。過去一千年間にわたって科学者や思想家たちを魅了してきた直観 ―― 動物は自然災害を予知できる ―― をテストするためだ。

ドイツの科学者・Wikelski氏は、昨年10月にイタリア中部マルケ州 Pieve Torina にある農場の動物たちにタグを取り付けた。彼らの行動をモニターし、地震の前に一貫した変化が現れれば、それが地震に対する警報として使え、数千の人命を救える可能性があると期待してのことだ。

今春、ある暖かい朝、彼は調査データを回収するために Pieve Torina に戻ってきた。農業用の機械類が雑然と置かれた農家の庭先で、車のボンネットの上に置いたコンピューターが収集したデータを読み込むのを見ながら彼は興奮気味に叫んだ。「ワォ! 本当に何かがあるように見える」

イタリアの一連の地震は8月に始まり、10月と1月には大地震が数千もの余震をともなって発生した。被害額は230億ユーロ(260億ドル)、数千人が住む家をなくし、300以上の人命が失われた。その一方で、主として田園地帯や農村部を高い頻度で揺らした地震は、昔から言われてきた「動物は地震を予知する」という説を検証する希有な機会ともなった。

(中略)

科学雑誌に掲載される前であったため、Wikelski氏は自分の発見の詳細を明らかにすることができなかった。しかし、データは動物が地震の数時間前に一貫性のある動きをしていることを示唆していた。

(続く)


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