以前、3回にわたって連載し好評をいただいた「グーグル・マップを使ったプレートテクトニクス名所巡り」の第4回目です。前3回では、(1)海溝に近づき裾野が崩壊し始めた海山(襟裳海山)、(2)山体の半分が海溝に崩落、海溝の陸側斜面に一部が付加し始めている海山(第一鹿島海山)、(3)海山が沈み込んだ後に陸側プレートに残っている痕跡(九州・パラオ海嶺と南海トラフ)を取り上げました。
今回は、同様の現象が大規模におきている中米・コスタリカ沖を取り上げます。地図1をご覧ください:
左上から右下に向かって伸びているのが中米海溝です。メキシコからニカラグアにかけては海洋底に比較的凹凸が少なく、海溝軸もなめらかな曲線を描き、陸側斜面にも大きな出入りはありません。ところが地図右下のコスタリカ沖ではこの状況が一変します。コスタリカ沖を拡大した地図2をご覧ください:
コスタリカ沖の中米海溝には、ガラパゴス海嶺(ココス・プレートとナスカ・プレートの境界)で作られた海洋プレートが沈み込んでいます。このプレート上には、ガラパゴス・ホットスポットで誕生した海山群やココス・リッジが存在しています。これらの海底の高まりがプレートの動きによって中米海溝に次々に沈み込んでいったため、海溝の陸側斜面にその痕跡が凹凸として残っているのです。
この領域の海山の沈み込みについては詳細な研究がなされています。それについては次回に紹介したいと思います。
(続く)
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