地震の震源断層を直接調査する DSeis(ディーサイス)計画が3月下旬から始まります。南アフリカ金鉱山の地下5~1 kmの坑道付近で発生した M5.5、M3.5、M2.8 の地震の破壊開始点や停止域、余震域を十数カ所掘り抜いて、震源断層とその周辺の応力・物性・破壊の状況を直接調査する計画です。また、地震を起こしていない未熟な断層での応力測定も予定しています。日本主導の計画で、9ヶ国から研究者が参加します。「これまでなかなか手が届かなかったアスペリティ本体を掘り抜いて、その実体を明らかにすることができます」:
- 国際陸上科学掘削計画(ICDP): 南アフリカ金鉱山の大深度からの地震掘削調査の開始 (説明図、地図、写真あり)
参考までに震源断層と地震断層の違いについて ―― 震源断層は地震動を引きおこした地下の断層のことで、そのズレが地表に顔を出したものが地震断層(地表地震断層)。日本列島の場合、M6.8程度以上で地震断層が出現するといわれています。[参考書: 遠田晋次著『活断層地震はどこまで予測できるか』、講談社ブルーバックス B-1995]
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