2016年8月31日水曜日
東海地震説から40年、予知信仰の崩壊
1976年8月に東海地震説がスクープ報道されてから40年。以下は、8月28日から30日まで、『中日新聞』に連載された記事です。
「国家プロジェクトとして研究できることに学会は色めき立っていた。政治家も便乗した。予知の科学的証明を待たずに78年、予知を前提とする『大規模地震対策特別措置法(大震法)』が成立」、「しかし、いまだに地震を予知する科学的根拠は見つかっていない」:
「予知の科学的根拠が明確に示されないまま、国は東海地震を特別扱いしてきた」:
最後にゲラー教授登場(写真に写るときにはもう少し背景を整理した方が良いのでは)。「(地震発生の)周期説が科学的に証明されたことは一度もない。南海トラフ巨大地震もまた、周期説に基づくシナリオの一つだ」、「(前兆現象の)観測事例は大量にあるが、どれも発生後にさかのぼって集めたデータで、地震との因果関係が認められたケースはない」、「一部の学者が国の予算を引き出す『打ち出の小づち』として『地震予知』という名目を使った。大地震もしばらく起きず、予知ができないことがばれなかった」、「うそだった。大震法を廃止して、けじめをつけるべきだ」:
その大震法にもとづく地震防災対策強化地域判定会が8月29日に開かれました。いつもの「東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません」という文言に続いて、「7月25日から8月5日にかけて、三重県から愛知県西部のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています」、「7月26日から8月7日にかけて、三重県、愛知県及び静岡県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しました」とのこと:
大震法を廃止したとたんに東海地震が発生するような気がしてなりません。