2016年3月17日木曜日

歌詞が現実になる? (その6)


2010年10月27日、〝Beginner〟という曲のCDが発売されました。作詞は秋元康。歌ったのは AKB48。2010年の邦楽で1位にランクされました。この曲の歌詞には、後に起こる出来事を暗示するような言葉が鏤められていました:

曲の発売から135日後の2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生。東日本大震災です。この未曾有の大災害では、「想定外」という言葉が飛び交いました。曰く、あの場所でMw9.0が起きるとは想定していなかった、あの高さの津波は想定していなかった、云々。津波に襲われた街々は一切合切を海に持ち去られ、安全神話という煙幕を纏っていた原子力発電所では3基もの原子炉があっけなくメルトダウン。
昨日までの経験とか
知識なんか荷物なだけ

津波を逃れて高台に避難した人々の目の前で、家々が崩れ流されて行きました。「後に何も残さないよ」、「伏せた目を上げた時に 0(ゼロ)になる」。すべてを失ってしまった人たち。「僕らは生きているか?」、「明日も生きていたいか?」、「あんな思い 2度と嫌だと」。

地震学者らは「わかったふりして 知ったかぶりで」、「失敗して 恥をかいて」。

安全神話を振り撒いて世間を欺いてきた「原子力村」の鉄面皮たちは、「怖いもの知らず 身の程知らず」、「何もできない」、「ちゃんとできない」、「すぐにできない」。

結局、彼らは〝Beginner〟にすぎなかったのかも知れません。


(完)


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