国立公文書館の「今月のアーカイブ」に、
安政江戸地震(1855年、M7.0~7.1、推定最大震度6)の惨状を記録した『安政見聞録』と『安政見聞誌』がカラー図版で紹介されています。
2ページ目から3ページ目にかけて、武家屋敷の老僕が安政江戸地震を予知して主家を救ったという話が載っています。この老僕はそれまでに
越後三条地震(1828年、M6.9、推定最大震度7)と
善光寺地震(1847年、N7.4、推定最大震度7)を経験しており、「大地震が起きる前は空がとても近く見え、星の輝きがいつもの倍になる」ことから大地震の発生を予知して準備をしていたとのこと:
この老僕が経験した3つの大地震はいずれも内陸の直下型地震である点が共通しています。
空が澄んで星がキラキラときれいに見えるのは冬空ではよく経験することです。そのせいかとも思いましたが、太陽暦で、三条地震は12月、善光寺地震は5月、江戸地震は11月の発生ですので、少なくとも善光寺地震には当てはまりません。