2016年2月12日金曜日
直下型地震の前触れ? 熱エネルギーが間もなく到達?
2月5日朝に神奈川県東部で発生した最大震度4の地震は、大きな地震が起きる前に小さな地震があちこちで飛び跳ねるように発生する「地震の飛び跳ね」現象の可能性があり、首都圏でマグニチュード6以上の大きな地震が発生する前触れであるかも知れない、という記事です:
上記の記事に登場する角田史雄・埼玉大学名誉教授は構造地質学が専門で、「大陸移動説は不成立」とし、「地震の原因はプレートではなく、地下での『熱移送』である」という説を唱えています。この熱移送説とは、マントル・プリューム由来の熱エネルギー(マグマの活動)が、決まったルート、決まった周期で日本に到来し日本列島の地下を温めながら移動、温められた場所ではその上に載っている地塊が揺動し、地塊の縁辺で地震が起こりやすくなる、とするものです。
角田氏は2009年に『地震の癖 いつ、どこで起こって、どこを通るのか?』(講談社)を出版しています。私も直後に購入して読みましたが、疑問点が多く最後まで読み通す気力を失いかけました。「お前がプレートテクトニクスが正しいという先入観に毒されているからだ」と言われればそれまでですが。
「地震の飛び跳ね」現象と言えるか定かではありませんが、『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)には、安政東海地震(1854年、M8.4、最大震度7)の前に各地で発生した地震ついて、「安政東海地震の広義の前震ともいうべきこれらの中規模地震の震央が、巨大地震の震央を目ざして集中していった傾向をみることができる」との記述があります。掲載されているグラフや地図を見ると、安政東海地震の7年余り前に発生した善光寺地震を皮切りに、越後→信濃→相模→伊賀→伊勢で発生した地震の震央が、徐々に安政東海地震の震央に近づいていった様子がよくわかります。