ロシアの海洋地質学・地球物理学研究所地震研究室のトップである Ivan Tikhonov 氏が発表した予測・警告です。「ロシアの千島列島、カムチャツカ半島、日本の北海道島では、近年、大きな地震がほとんど起きていない」、「(この地域は)地震活動に関して過去6年間は信じられないほど静かな期間であった」、「千島列島南部のウルップ島(地図)近傍で、2016年1月から2017年2月の間に、最低でもマグニチュード8.0の地震が発生する」、「千島列島北部で2018年までにマグニチュード7.7の地震が発生する」、「サハリン(樺太、地図)南部で来年の春の終わりまでにマグニチュード6.0から7.0の地震が発生する」:
記事では、ロシアの科学者が使っている地震予知の手法も紹介されています。今回の予測には8種類の方法が用いられたとしています。中国の地震学者によるLURR(Load/Unload Response Ratio)理論(太陽や月の引力の影響を考慮)、日本の茂木清夫氏による地震空白域仮説、大気圏内のジェットストリームの影響、などなど。
さらに Tikhonov 氏の率いるチームが開発した誤報の少ない短期予知の手法についても言及されていますが、具体的な説明はありません。〝mathematical algorithm based on a non-linear differential equation developed by Russian scientist Alexander Malyshev〟(ロシアの科学者アレクサンダー・マリシェフによって生みだされた非線形微分方程式にもとづく数学的アルゴリズム)と書かれていますが何のことやら。記事は、別の科学者からの批判があることにも触れています。
上記記事中のコラムによると、ロシアでは信頼できる地震予知情報は「地震予知および地震災害評価のための専門家委員会」からロシア非常事態省に送られることになっています。2005年にはカムチャツカ半島に対して信頼度の高い予知情報があり、非常事態省は地震発生に備えて救助隊を当該地域に展開したということです(地震の年表を見たかぎりでは、2005年にはカムチャツカ半島で大きな地震は発生していません)。
記事の冒頭には、ウルップ島の海岸にある "The Drinking Man" と名づけられた大きな岩の写真が掲げられています。海の水を飲んでいるように見えるのでそう名づけられたのでしょうが、私には小泉元首相の横顔に見えます。
なお、上記予測の対象となっているサハリンでは、10月8日に以下のような現象がありました:
- ロシア イワシ数万匹が岸に打ち上げられた (写真あり)
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