2014年2月18日火曜日

トリノの聖骸布と西暦33年の大地震


十字架に磔にされたキリストの遺体を包んだとされる「トリノの聖骸布」(Shroud of Turin)の年代と、それにネガ状に転写されている痩せた男性の全身像について、イタリアの研究チームが新説を出しました。

新説は ―― 聖骸布の素材は西暦33年にエルサレムを襲った M8.2 の大地震によって放出された大量の中性子によって炭素14のレベルが上がっている、したがって、これまで放射性炭素年代測定法によって出されていた年代(13世紀から14世紀とする説が有力)は誤りで聖骸布の製作年代は西暦紀元前後のキリストの年代まで遡る、また、布に写っている男性のネガ画像は大量の中性子線によって布に焼き付いた可能性がある ―― と主張しています:

大地震によって大量の中性子が放出されるというのは本当でしょうか。当然のことながら、多くの反論や批判が出ています。「そのような現象がこの遺物にだけ起こって、他の考古学的/地質学的資料には生じていないのはなぜなのか」というのが基本的な疑問点であり、反論でしょう。ワシントン・ポスト紙の編集主任は疑似科学やナンセンスの類いと書いています:

新説を出したチームのリーダーはトリノ工科大学の教授です。科学者といえども宗教や信仰が絡むと理性的な判断ができなくなるということでしょうか。


関連記事