10月30日付「衝突確率上昇 ― 小惑星〝2013 TV135〟」の付録です。
小惑星〝2013 TV135〟の地球に衝突する確率が上昇したといっても、依然として微々たるものです。衝突しない確率は 99.99% 以上です。
衝突する確率は1万分の1よりも小さいのですが、「万が一」この小惑星が衝突した場合にはどのようなことが起こるのでしょうか。白亜紀末に恐竜を絶滅させた小惑星の直径は 10km 前後と推定されていますから、直径 450m と推定される〝2013 TV135〟には、生物の大量絶滅を引きおこすほどの威力はないと考えられます。
小惑星〝2013 TV135〟が東京駅に落下したときにできるクレーターの範囲 (「みんなの知識 ちょっと便利帳」を利用して作成しました) |
より具体的に衝突の影響を知るために、以下のシミュレーターを使ってみました:
〝2013 TV135〟の直径は 450m、質量は 1億2000万トンと推定されています。〝TV135〟が球体であると仮定すると密度は 2516kg/m3と計算されます。大気圏突入時の速度は秒速14.93km(約15km)。これらの数値を上記シミュレーターに入力し、地表への突入角度はデフォールトの 45° として得られた結果は次のとおりです:
- 落下地点に直径 6.2km、深さ 513m のクレーターができる(上の地図は東京駅に落下した場合のクレーターの範囲を示しています)。
- 落下中に分離した破片は、1.08km×0.766km の楕円形の範囲に落下。
- マグニチュード 6.9 に相当する地震が発生。
落下地点から 30km (東京駅が落下地点だとすると、横浜、柏、大宮あたり)での影響は次の通りです:
- 6秒後に地震波が到達。
- 1分19秒後に衝突で飛び散った破片が落下し始める。破片の平均直径は 93.8cm。細かな塵も降り、平均 20.7cm の厚さに積もる。
- 1分31秒後に秒速 232m の爆風が到達。爆音は 103dB(耳に痛みを覚えるレベル)。
- ほとんどの建物が倒壊し、橋も崩落する。ガラスは粉々に砕ける。
- 最大 90% の樹木が吹き倒され、残った樹木も枝や葉が引きちぎられる。
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