Credit: ESA/Herschel/PACS/L. Decin et al (クリックで拡大) |
欧州宇宙機関(ESA)のハーシェル宇宙望遠鏡は、観測機器を絶対零度近くまで冷却するための液体ヘリウムを使い切ったため、4月29日に観測運用が終了しましたが、以下の記事はそのハーシェル宇宙望遠鏡が赤外線で撮影したオリオン座の1等星・ベテルギウスの姿を紹介しています:
画像を見ると、ベテルギウスの周囲を同星が放出した大量の物質が取り巻いていることがわかります。さらに、少し離れたところには、過去に放出された物質が複数の円弧(実際は球殻)を描いて広がっています。注目していただきたいのは、ベテルギウスがこれらの円弧の中心よりも画面上で左に位置している点です。ベテルギウスは左に向かって移動しているのです。
ベテルギウスの移動方向には、画面の上から下に伸びるほぼ直線状の構造が見えます。これは、銀河系の磁場に影響されて集まった星間物質、あるいは、近隣の星間雲の縁と考えられています。ベテルギウスの周囲の円弧は、この直線状の「壁」に5000年後に、ベテルギウス本体は1万2500年後に衝突すると計算されています。
ベテルギウスが超新星爆発を起こすのと、「壁」に衝突するのでは、どちらが先になるでしょうか。
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