宮城・山形県境にある蔵王山で1月下旬に低周波地震が連続して発生したことは、2月1日付の「蔵王山で連続低周波地震 ― 宮城県」と「蔵王山で連続低周波地震 ― 宮城県 (続報)」で既報ですが、それらは気象庁の発表にもとづくものでした。
3月12日に開催された火山噴火予知連絡会定例会で使われた「第125回 火山噴火予知連絡会資料 (その6) 東北地方」(PDF形式、13MB)で、蔵王山について気象庁は次のように説明しています:
2013年1月22日09時台と27日の09時台を中心に、蔵王山付近を震源(やや深い場所と推測とする低周波地震が一時的に連続して発生した。それ以外の期間、火山性地震は少ない状況で経過し、期間を通して空震計及び表面現象に変化は認められなかった。
火山性微動は観測されなかった。
同じ資料には東北大学の観測結果も入っているのですが、超長周期震動、火山性微動、地殻変動(傾斜変動)が観測されていた点で気象庁の説明と異なっています:
火山性微動・低周波地震の活動にともない超長周期震動が発生した。
蔵王山では、2013年1月22日~28日に、火山性微動ならびに低周波地震が繰り返して発生した。この中で、22日に3回の超長周期震動が認められた。
超長周期震動の震源域は、刈田岳の南側、深さ数kmと推定される。
推定された震源域は、過去の群発地震活動域に対応。傾斜変動とも調和的。
追加資料(PDF形式、3MB)によると、傾斜変動は3月に入っても継続中とのことです。
なお、超長周期震動は海外や日本の他の火山でも観測されています。ほとんどの場合は、マグマ溜まりの膨張・収縮、あるいは増圧・減圧運動によるものと推定されているようです。
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