6月4日付「大量のイワシ打ち上げられる ― 千葉県いすみ市」の続報です。
千葉県いすみ市の大原漁港に大量のイワシが押し寄せた事件ですが、FNN フジニュースネットワークの報道によると、「今、房総半島の太平洋側で、同じような現象が相次いで報告」されており、いすみ市の別の漁港や、隣接する勝浦市や鴨川市の漁港でも同様の現象が相次いでいるとのことです。
FNNのニュース画面 (クリックで拡大) いすみ市大原漁港以外の漁港にもにもイワシが押し寄せていた。 |
同様の現象が起きていたのは、「大原漁港から北におよそ8.5km離れた同じいすみ市の太東漁港」と、「いすみ市に隣接する勝浦市や鴨川市の、少なくとも5つの漁港」です。「4月の初めごろに、勝浦市内の各小さな漁港の方に入る現象が見られまして、13日に松部漁港、16日に川津漁港で大量に(イワシが)打ちあがったようです」(勝浦水産事務所):
- 千葉・大原漁港にイワシ大量漂着 付近でも類似ケース相次ぐ (動画あり)
このような現象が起きた原因については、「最近、カタクチイワシを餌にしているサバ・ブリが増えつつありますので、(イワシが)追われて岸の方に近づいてきたと考えられる」(勝浦水産事務所)、「例年4月ごろには旬が終わるブリの幼魚「イナダ」が、5月に入ってもまだ例年以上にとれ続けている」(鴨川漁港)とのことです。
1923年9月1日に起きた関東大震災の前にもイワシの大群が岸近くや川で目撃されています。『地震前兆現象』(力武常次、東京大学出版会、1986)から目撃談をいくつか紹介します:
- 朝の通学電車の中から川一面にイワシが腹を上にして浮いているのをみました。(横浜市中区本牧、震央からの距離 42km、地震の50日前)
- 避暑に行っていた際、イワシが体にぶつかる位いっぱいいた。(千葉県一宮、101km、40日前)
- 家の裏側を流れる大岡川に大量の魚(イワシ)が海から遡上してきたのを見た。同時に死んだ魚がかなり浮き上がっていた。(横浜市翁町、42km、20日前)
- 8月30日からイワシが川を上り初め、皆がざるですくっていました。(横浜市中区元町、42km、2日前)
- 8月31日箱船で釣りに出たところ岸から程遠からぬ沖合でイワシとサバが小学校6年生だった自分にも60~70尾も釣れる程釣れた。土地の漁師がこの様な事はこれまで一度もなかったと言っていた。(大磯・照ヶ崎海岸、11km、1日前)
- 東京湾のイワシ漁は、六隻ぐらいの漁船がイワシの群れを音でおどしながら網の方向へ追いたてていく、といった漁法を採っていたそうだ。例年はイワシがどちらに逃げるか定まらなかったが大震災の前の月、八月には、音で驚いたイワシの群れは必ず、木更津―浦安―横浜の方向をとって回遊したという。(東京湾、61km、1ヵ月前)
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