スペイン領カナリア諸島のエル・イエロ島(エル・ヒエロ島、地図)で7月中旬から急増した地震は、その後も増減をくり返しています(8月1日以降の震央地図)。以下は、カナリア諸島火山研究所(Instituto Volcanológico de Canarias)が8月24日付で出した週報です:
スペイン語ですので若干の説明を加えます:
▼左上の地図: 地震計やGPSなどの観測機器が設置されている場所を示しています。
▼左下の棒グラフ: 7月17日から8月23日までに、エル・イエロ島内およびその周辺に設置された国営地震観測網(Red Sismica Nacional)の観測機器で観測された地震の数。
▼中央の信号機の絵: 現在の警戒レベルがグリーン(VERDE)であることを示しています。
▼右側、一番上の棒グラフ: 二酸化炭素ガスの放出量。上から順番に、過去7日間の平均、過去30日間の平均、通常の放出量{B}、観測された最大放出量。水平方向の目盛りは{B}の何倍かを示しているが、対数目盛になっていることに留意。
▼右側、上から2番目の棒グラフ: 温度(地表の温度なのか火山ガスの温度なのか不明)。上から順番に、過去7日間の平均、過去30日間の平均、通常の温度{B}、観測された最高温度。水平方向の目盛りは{B}の何倍かを示している。
▼右側、上から3番目のグラフ: 水平(東西)方向の変形。上が東。単位はメートル。左端が2011年初、右端が2012年初。
▼右側、上から4番目のグラフ: 水平(南北)方向の変形。上が北。単位はメートル。左端が2011年初、右端が2012年初。
以上のグラフから、エル・イエロ島の火山では、二酸化炭素ガスの放出量がやや増え、温度も上昇傾向にあること、また山体の膨張が2011年5月ごろから始まっていることがわかります。
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