2010年5月10日月曜日

捕鯨戦争 (その 3)

先月末、シー・シェパードのポール・ワトソン代表に逮捕状が出ていたとの報道がありました:

このワトソンという人物、昨年か一昨年におきた日本の捕鯨船団との衝突のあと、ひしゃげた銃弾を報道陣に見せて 「日本の船から銃撃され負傷した」 と主張したことがありました。捕鯨を阻止するためなら平然と嘘をつき、どんな行為も正当化できると考える 「何でもあり」 な人という印象があります。

そのことを裏付けるような記述が、『クリスチャン・サイエンス・モニター』誌のサイトに掲載された記事にあります:

その部分を以下に翻訳します:
メディア戦術にたけたワトソンは、いかなる法廷審問をも自分たちの考え ―― あらゆる捕鯨は非合法であり、彼の言葉によれば日本は事実上の「密漁者」である ―― を力説することに利用するだろう。

彼が信用のおける証人としてふるまうことは望み薄である。なぜなら、彼は以前から環境保護活動家に対して、自分たちの主張にうそを交えることを強く勧めてきたからである。

彼が 1993年に自費出版した『Earthwarrior』(地球の戦士)という環境保護活動家のための戦術ガイドの 43ページには、次のように書かれている: 「答えに窮したり、事実や統計を知らなかったりしたときには、とにかくアメリカ大統領の例に倣ってロナルド・レーガンのようにふるまえ。その場で話をでっち上げ、その情報を自信を持ってためらうことなく発言するのだ。」

シー・シェパードのウェブ・サイトには “Equality Statement”(平等な立場の表明) として次のような文言が書かれています:
環境保護団体・シーシェパードは、人種、肌の色、宗教や信仰の違いに偏見なく、公平な立場で、絶滅の危機に瀕した海洋生物・海洋エコシステム保全を目的に制定された国際自然保護法を駆使して、国際的に活動しています。

(中略)

シーシェパードは特定の国や文化を否定しているのではありません。海洋エコシステム保全の為に、そして地球上の 全ての命の為に活動しています。我々は、法律に反する行為、犯罪にのみ抗議します。

しかし、日本の捕鯨船団に対する「抗議」活動が、ノルウェーやアイスランドの捕鯨に対するものに比べて格段に激しく執拗であるのを見るにつけ、背景にはアジア人・モンゴロイドに対する人種差別感情があるのでは、との疑念がどうしてもわき上がってきます。

ワトソン容疑者のアップの顔写真を見ると、目元あたりにアジア系の雰囲気を私は感じます。想像ですが、ワトソン容疑者は自分の身体にアジア系の血が流れていることを嫌悪しており、そのことが日本人に対する憎悪と攻撃をいっそう先鋭化させているのではないでしょうか。ちょうど、ナチス・ドイツのヒトラーが自分の家系(祖父?)にユダヤ人がおり、自分にもユダヤ人の血が流れているのではと恐れたことが、ユダヤ人に対する迫害に拍車をかけたとの説があるように。


(完)


過去の関連記事