これまで何度も延期を繰り返してきた韓国の人工衛星打ち上げ(当初の予定は 2006年 10月)ですが、来週 8月 11日に設定されていた打ち上げ予定が、またまた延期される可能性が出てきました:
韓国はこれまでも人工衛星を打ち上げていますが、ロシアなどが開発・製造したロケットを使い、打ち上げも海外でおこなってきました。しかし、今回打ち上げに使われるロケット KSLV-1 は、1段目が韓国とロシアの共同開発、2段目が韓国の独自開発です。部分的とはいえ国産のロケットを使うのは初めて、また、韓国領土内から打ち上げるのも初めてのことです。
韓国の教育・科学・技術省が昨日発表したところによると、先週木曜日に実施した試験で、ロシア側が開発を担当している部分にさらに検討を要する技術的問題が見つかったため、延期の公算が高くなったとのことです。
韓国は、台風などの影響を避けるため、打ち上げ可能期間を 8月 11日から 18日までとしており、見つかった技術的問題が期間内の打ち上げに間に合うように解決できなければ、台風シーズン後まで打ち上げが大幅に延期される可能性があります。
打ち上げがおこなわれた場合、北朝鮮はどのように反応するでしょうか。自国の「人工衛星」打ち上げが弾道ミサイルの試験であるとして国際的に非難された経緯から、韓国や国際社会に対して何らかの非難声明を出すかも知れません。
今回の打ち上げについて韓国内の報道を見ていると、ほとんどのメディアが 「アメリカも日本も、最初の打ち上げには失敗している」 という点を繰り返し強調している点が目につきます。打ち上げに対する自信のなさの現れであると同時に、不幸にして打ち上げに失敗した場合、自尊心のきわめて強い韓国民が受けるショックを予想してあらかじめ予防線を張っているように感じます。
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