「迎撃する」と表向きは豪語しても、本当に迎撃できるほどミサイル防衛システムは完成されたものではありません。以下は先月末ごろに報道された記事ですが、ミサイル防衛の現状がかなり怪しいものであることを示しています:
- Missile defense capable, but needs more testing (ミサイル防衛は可能だが、もっとテストが必要だ)
- Pentagon Tester Lacks ‘High Confidence’ in U.S. Missile Defense (ペンタゴンのテスト担当者はミサイル防衛に自信なし)
- U.S. missile defense to complete test review by May (ミサイル防衛のテスト評価は 5月までに完了)
- Missile defense on the chopping block? (まな板の上のミサイル防衛)
- Rep. Tauscher asks Gates to rethink missile defense (Tauscher 議員がゲーツ国防長官にミサイル防衛の再考を求める)
北朝鮮の場合、東に海が広がっている場所といえば日本海沿いの地域になるわけですが、日本海の東には日本列島があるため話がややこしくなります。かりに日本の東に非友好的な国があったとしたら、日本も北朝鮮と同じような立場におかれます。日本が人工衛星を打ち上げようとすると、日本の東に位置する国が、自国に対する脅威だから打ち上げを止めろ、打ち上げたら迎撃するぞと警告してくるわけです。人工衛星の打ち上げだと主張しても、打ち上げに使うロケットはミサイルと変わらないと言われる。このとき、日本人は正当な宇宙開発の権利を侵害された、不当な威嚇だと憤ると思います。
北朝鮮を擁護するわけではありませんが、声高に迎撃云々と言う前に、「もしも本当に人工衛星だったら」と考えることも必要ではないでしょうか。北朝鮮は、今回打ち上げる「光明星 2 号」は試験通信衛星だと主張しています。前回の「衛星」は目的不明でしたが、今回のように衛星の目的がはっきりしていれば、本当にそのような衛星が打ち上げられたのか、軌道にのったのかなどの検証は比較的容易なはずです。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency