先日おこなわれた神奈川県立高校入試の共通問題から、地学系の問題を 2つ紹介します。高校入試の問題ですから、中学生レベルでわかるはずの問題です。皆さんは即答できるでしょうか。
問4(ア) 日本における太陽の南中高度や日の出、日の入りの方角や時刻は、1年を通じて変化している。このことを説明したものとして誤っているものを、次の 1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。
- 太陽の南中高度は、夏至の日に最も高くなり、冬至の日に最も低くなる。
- 日の出の位置が 1年の中で最も北寄りになるのは、冬至の日である。
- 昼の長さは、夏至の日に最も長くなり、冬至の日に最も短くなる。
- 季節によって気温が変化するのは、太陽の南中高度や昼の長さが関係している。
問4(ウ) 右の図は、ある地点について、震源から 100km 離れた A地点と 200km 離れた B地点で観測した地震計のデータを模式的に示したものである。この地震の震源から 150km 離れた C地点における初期微動継続時間として最も適するものを、次の 1~4 の中から一つ選び、その番号を書きなさい。
- 14秒
- 16秒
- 18秒
- 20秒
(本来は地震波形のグラフを読み取る能力も必要な問題ですが、いま図を入力するスキャナーが手元にないので、「右の図」を言葉で説明します ―― 図の縦軸は「震源からの距離(km)」、横軸は「P波・S波が届くまでの時間(秒)」。原点は 0。震源からの距離 100km の横線上に A地点の地震波形、200km の横線上に B地点の地震波形。A地点の波形では、P波は地震発生 16秒後に、S波は28秒後に始まる。B地点の波形では、P波は32秒後、S波は56秒後に始まる。)
問4(ア)の問題は、うっかり勘違いをしそうな選択肢が入っています。しかし、ふだんから自然の変化に気を配っている人であれば、学校で教えられなくても容易に答えられる問題です。(ウ)の問題は、グラフさえ正しく読み取れれば、あとの計算は簡単です。2問とも、中学生でも正答率はかなり高いのではないかと思います。正解は後日、この記事に追記します。
引用元: 2009年2月20日 朝日新聞(朝刊)