熱い砂漠の国というイメージのあるアラブ首長国連邦(UAE)で、北部の山と周辺に史上初めて雪が積もり、現地の人たちを驚かせています。アル・アラビア・ニュース・チャンネルは次のように伝えています:
記事をまとめると以下のとおりです:
積雪は最大で 20cm。雪は金曜日の午後3時頃からちらつき始め、その日の夜には本格的な降雪になった。気温は氷点下2度まで低下。降雪のなかった UAE の他の地域では、激しい落雷をともなう大雨となり、一部の地域では金曜日の夜に約20分間にわたって雹が降った。UAEでは、2004年にも雪が降ったが、このときは積もらなかった。
他のニュースサイトも報道しています:
「雪」を表す単語がない場合、雪をどう言い表すのでしょうか。「空から落ちてくる白く冷たいもの」というような言い方をするのでしょうか。イヌイット(エスキモー)の言葉には「氷」や「雪」を表す言葉が、日本語には「雨」に関する言葉が極めて豊富だといいます。「五月雨」、「通り雨」、「秋霖」、「梅雨」…。また、マフィアのスラングには「殺す」を意味する表現が何十とおりもあり、実際の殺し方も非常にバリエーションに富んでいるとか。
人は対応する言葉がないものを目撃したとき、それを他人に伝えようとすると非常な困難に直面します。絵が使えないとしたら、あとは話者と聞き手が共通して知っているものにたとえるしか方法がありません。「フライング・ソーサー」は、空飛ぶ円盤を意味する英語ですが、「ソーサー」は茶碗の受け皿を意味しています。初めて空飛ぶ円盤を目撃した人が、その形をソーサーに喩えたことに由来するとのことです。
少し話が飛びますが、旧約聖書中の三大予言書の一つ、『エゼキエル書』の不可解な記述も、予言者エゼキエルが実際に目撃したものを、なんとかして他の人たちに伝えようとしたものだ、という解釈があります。このことについては、『円盤製造法 エゼキエルの〈宇宙船〉を復原する』(ヨーゼフ・F・ブルームリヒ、角川文庫、1977)が一番詳しい書物だと思います。著者のブルームリヒは、NASA で設計チームのチーフや企画構成部長などを歴任したエンジニアで、大型ロケット製造に関する特許をいくつも持っているとのことです。『円盤製造法』という不真面目なタイトルは、原著(ドイツ語)とは無縁のもので、日本の出版社の利益至上主義のなせるわざです。原題は『Da tat sich der Himmel auf』(There, the heaven opened)で、エゼキエル書の一節からとられています。
著者のブルームリヒは、エゼキエルについて次のように書いています:
こういう記述をするのにどれほどの知性が必要であったかを理解するのには、エゼキエルのおかれた立場をもう一度思い描いてみなくてはならない。なんの予告もなしに彼はある異象の証人となり、自分の知識と感性を総動員しても比較も手がかりも論理的説明もえられないような事象に直面したのである。
同書の内容と類似の情報が下記サイトにあります。ただし、そこに登場するエーリッヒ・フォン・デニケンという人物は、古代の遺跡を手当たり次第に宇宙人に結びつける山師ですので注意が必要です:
『エゼキエル書』の全文は以下にあります:
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency